ヨーロッパ周遊旅行回想録(18)憧れのモロッコを行く⑧フェズは評判通り雰囲気満点!
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いよいよモロッコ最後の目的地、フェズに到着しました。
フェズはかつてのイスラム王朝の首都で、モロッコ有数の観光地・古都。その昔、ルパンの映画の舞台にもなっていて、アニメでの描写を見てこのためにモロッコに寄ったと言っても過言ではないくらい、私が今回一番楽しみにしていた街でした。笑
まずはフェズ駅に到着、早速旧市街へ移動開始します。
ちなみに、現地やガイドブックでのフェズの表記は、Fez, Fèz, Fès, Fesといくつかのバリエーションが混在することがありますが、どれも等しくフェズを指します。英語と仏語の表記が現地でもゴッチャになっているようです。
フェズ駅→旧市街までバスで移動
フェズの駅前は小さな庭園が造られていて、東側にはイビスホテルがあったりする。
ここからが難所だが、フェズの駅前を真っ直ぐ南に向かうと、市営バス乗り場が見えてくる。乗り場と言っても、小さいのでバスが停車していないとわかりずらいが、確か青いバス停の看板が立っていたように記憶している。現在はもう少し改善されているかもしれない。
フェズの新旧市街の位置関係はこんな感じ。
メクネスと同じように、旧市街と新市街の間には谷があり、徒歩で行くのは骨が折れるのでバスかタクシーの利用が無難。フェズ駅の南側が新市街、そこから北東に行くと迷路のような旧市街が広がっている。旧市街の入り口・目印になるのはブ・ジュルード門(Bab BouJould)だ。フェズ駅~ブー・ジュルード門へのバスは10番か47番で。(1乗車3Dh、現在は4Dhに値上げ?との情報あり)
バスの中は新しめの車両だからか、わりと清潔。
新市街を抜けたあたりで、突如現れる現代風のショッピングモール。さすが元フランス保護領だけあってカリフールや、米系のチェーンも入っているようだ。
東南アジアでもショッピングモールだけはやたら新しくて清潔だったりするが、これは世界共通なんだなと実感。
谷を渡り・・
どんどん旧市街に入っていく。旧市街エリアに入ると一気に周りの建築の様子が変わってくる。
今回はブー・ジュルード門ではなく、宿近くのルシーフ門という旧市街の一番奥にある門の近くで降ろしてもらう。バスを降りると、そこは一気に古きモロッコに。
フェズでの宿 Dar Lalla Kenza にチェックイン
▲フェズ旧市街の略図
フェズでの宿は、Dar Lalla Kenzaというドミに2泊。バス停に近く、旧市街の入り口にあり、レビューを見て比較的まともそうだったのでこちらに決定した次第。
▼Dar Lalla Kenzaの予約・レビューはこちら
宿はバス停からほど近かったものの、やっぱり場所が分かりずらいw 土の壁に囲まれたなかにポツンとある扉、夜に来たら絶対見つけられないだろこれ、と言いたくなるくらい。
無事宿に着きチェックイン。宿自体はドミとしては優秀で、スタッフは英語も話せたし、クレジットでも支払いできた。
ここでチェックイン時の世間話。予約の時に「私は暖かいシャワーが必要」と仏語でリクエストを入れておいたもんだから、スタッフに「君、モロッコだって暖かいシャワーくらいはあるよ」みたいなことを言われてしまったw いやいやそうじゃなくて、給湯器がメンテナンス中とか、水シャワーは絶対嫌だよ、ということが言いたかったんだがうまく伝わってなかったらしい。
洗濯物が並ぶ屋上には出入り自由で、部屋も屋上のすぐ横だった。
宿の屋上からは、いつか夢見たモロッコの旧市街そのものが一望できた。これを見れただけでも結構お腹いっぱいになったかな。
淡い色の土造りの家々、所々見えるミナレット、洗濯物、時折聞こえるアザーン・・・まさにこれぞ古きモロッコ!
宿の近くを散策~フェズは評判通りの迷路の街
ところで、私がモロッコの旧市街に行ってみたい!と思ったきっかけは、冒頭で書いた通り、ルパンの『トワイライトジェミニの秘密』という映画(正確にはテレビSP)。私はルパン世代ではないけれど、ルパンは好きなアニメの一つなので、昔の映画も遡って全て見尽くしていた時期があり、その時偶然モロッコの描写に何かしら心惹かれたのだった。
▼『トワイライトジェミニの秘密』で描かれているモロッコ
どうでしょう、本物のモロッコが忠実に描かれていることがわかると思います。映画ではルパンが財宝を追ってモロッコで戦闘を繰り広げるわけですが、ルパンに登場する景勝地はほとんどが実世界の場所がモデルになっています。モロッコを調べているうちに、きっとこの映画のモデルはフェズだなと思い、これを一目見たい!とわざわざ旅程にモロッコを組み入れたのでした。今思うと我ながらよくやったなと思いますw
ということで、宿に荷物を置いたところで、実際のフェズの迷路を見に行きます。
宿の前の細い路地を抜けて・・
宿から程近いルシーフ門。ブー・ジュルード門よりは小ぶりだけど、旧市街のほぼ中央に位置する重要な目印。フェズの旧市街はまさしく迷路のように複雑なので、自分の宿、目印になる門やレストランなどの大まかな場所を覚えておくと散策しやすい。
ここでもミナレット。モロッコのモスクはほとんどがこの形をしている。
広場ではオリーブの量り売りや中古の靴?なんかが売られていて、いよいよローカルな雰囲気になってきた。
眩しいオレンジの売り物が目についたので・・
買ってみたらオレンジのシャーベット。5Dh(≒50円)とは安い。
門を抜けたところでは工事が進んでいた。現在は様子が変わっているのかもしれない。
路地を進むと、早速モロッコらしい雑貨店が立ち並ぶ。
銅製?の調理具や・・・
イスラム圏定番のランプに・・
カラフルな織物まで。
ここまで来ると雰囲気抜群。10世紀以降くらいから栄えているモロッコ、よくぞここまで細い迷路のような街を作り上げたものである。
フェズの旧市街はほとんどがこのような市場になっていて、地元民も多く見られる。
この辺りは食品エリア。何やら砂糖菓子のようなものや・・・
生チーズ? バター?やら・・
巨大なエンドウ豆のような豆に・・
生姜・・
レーズンのようなものまで。こういう旧市街での食品の売り方は、東南アジアでよく見かけるものと似ている。
そろそろ日が落ちそうだし、明日も時間はたっぷりあるので宿近くまで戻ることに。
適当なレストランに入って、2階席から旧市街を撮ってみる。
さすがにモロッコ料理以外のものが食べたくなり、久しぶりにピザを食す。本場のピザには劣るけど、500円程度で日本のLサイズピザが食べれたので満足。
良い具合に日が落ち、上空には月も見え始めた。夕焼け空が美しい・・・
夜は中進国の旧市街らしく、薄暗く妖しい雰囲気に包まれる。こういう日本では絶対に見れない風景を見るのが旅の醍醐味というもの。
ヨーロッパの先進国から離れているせいか、夜空の星が良く見える。
こうしてフェズ1日目はトラブルなく無事過ごすことができ、夜は更けていく。(続く)