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旅行に役立つフランス語①これだけでフランス語が読める!10の法則

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ヨーロッパ旅行記はひと休みして、今回は指向を変えて旅のTipsを書いてみたいと思います。海外旅行で困ることと言えば、まず言語の違い。英語はなんとかなるとしても、それ以外は・・というのは、日本に長く住んでいればやむを得ないことかもしれません。逆に、現地の言葉がわかれば一気に旅行がしやすくなります。そこで、今回は私が6年間勉強していたフランス語を取り上げます。*

 

フランス語は難しいと思い込んでいる人は多いようで、大学の第二外国語としても敬遠されがちですが、実は英語がわかる人にとってフランス語は学習しやすい言語です。私の感覚では、ドイツ語のほうがはるかに規則が多く難しい印象がありました。今回は手始めに、「細かいことは置いておいて、とりあえずこれだけ知っていればOK」というフランス語の発音についてご紹介します。この規則を覚えてしまえば、だいたいの単語、地名を読めるようになります。 

*フランス語は特に私の専門ではないのですが、面白くて計6年くらい勉強していました。文法は英語より複雑ですが、その分例外が少なく、文の構造は英語とよく似ているので、第二外国語としてもお勧めの言語です。

(1)語末の子音は発音しない

これがフランス語の一番大きい特徴かもしれません。とにかく、単語の末尾の子音は発音せず、無いものとして扱います。以下、発音をカタカナで表したものを[ ]と書いていきます。

 

例:

Paris [パリ] …パリ
Runaut [ルノー] …ルノー(フランスの自動車メーカー)
restaurant [レストロン] …(英語、日本語にもなった)レストラン

 

どうでしょう?Parisのsは発音しないのは、不思議ですが、とにかくこれがフランス語の特徴です。ただし、発音はしないだけで、文章ではちゃんと書くので、この点が厄介です。

(2)語末の子音f, n, l, rだけは発音する

ところが、さらに厄介なことに、語末の子音でも発音するものがあります。それが、f, n, l, rです。cも発音するという解説をしばしば見かけますが、cは発音するときとしない場合があるのでひとまずは置いておきます。

 

例:

clef [クレフ]…鍵

matin [マタン]…朝

cher [シェール]...安い 

(3)フランス語にはh(ハヒフヘホ)の音がない

これもフランス語の大きな特徴の一つですが、フランス語にはhの音がありません。スペイン語ではjをhの音で発音するのと対照的ですね。ではどうするのかというと、hは無いものとして発音します

例:hôtel [オテル]…ホテル

ですから、例えば人名であっても、hの音は発音しないので、hが入った人名でフランス語発音するとちょっと違和感があります。笑

例:Henri [アンリ] など。

日本人の名前で、例えばHiroshiなら発音は[イロシ]になっていまいますが、これは仕方ありません。笑

(4)フランス語には二重母音がほとんどない

二重母音というのは聞き慣れないかもしれませんが、要するに[アイ]とか[イエ]のように、母音を連続して読む場合のことです。ところが、この発音がフランス語にはありません。よく観察すると、英語にはいっぱいあるんですよ。例えば、aim[エイム](目的)、flavor[フレイバー](香り)、などなど。フランス語ではこれらは全て一つの母音として読みます。

例:

Toulouse [トゥルーズ]…トゥルーズ(フランス南部の都市)

deux [ドゥ]…2、2つの

finance [フィノンス]…金融。[ファイノンス]ではありません。

フランス語は綴りと発音が一致しないことがしばしばあるので、これが難しいと思われる原因の一つかもしれませんが、慣れが必要です。

(5)auは[オ]、eauは[オ―]、aiは[エ]

二重母音の発音ないと書きましたが、では単語に二重に母音がある場合はどうするのか?というと、ある一定の法則があります。それが、組み合わせとして、auは[オ]、eauは[オ―]、aiは[エ]と読んでしまうことです。ここまでわかると、だいぶフランス語っぽくなってきます。

例:

cafe au lait [キャフェ オ レ]…カフェオレ(牛乳の中のコーヒー、の意味)
cadeau [カドー]…贈り物
eau [オー]…水
gâteau [ガトー]…ケーキ
lait [レ]…牛乳

どうでしょう?最初は慣れが必要ですが、フランス語には英語・日本語になっている単語も多いので、読み方がわかると「ああ、これが」と思うことも多いのでは。

(6)単語の中のeひと文字は小さく[ウ]と発音する

これはあまり意識されないことですが、単語のなかのe、e単体は[エ]ではなく、小さい[ウ]の音になります[エ]と発音するのは、é, è, ë, êのようにeに記号が付いている場合です。厳密には全て違う音なのですが、ひとまず日本語の[エ]に近い音なので[エ]ということにしておきます。

例:

le[ル]…その(英語のtheにあたる定冠詞)。[レ]とは読みません。

passeport[パスポール]…パスポート。[パッセポール]ではありません。

réservation[ゼルバシオン]…予約。eに記号が付いているので、[ルゼルバシオン]ではありません。-tionという単語をしばしば見かけますが、[シオン]と発音します。

(7)oiは「オヮ」と発音する、llは「ユ」に近い発音、inは「アン」

さらに、組み合わせとして覚えておきたいのが、oi, ll(Lが二つ), inの場合。単語のなかで出てきた場合、oiは「オヮ」、llは「ユ」に近い発音、inは「アン」と読みます。

 

例:

mademoiselle [マドゥモワゼル]…英語のMissに当たる、未婚の女性に付ける敬称。セニョリータ(señorita)はスペイン語ですよ!笑

mille-feuille [ミルフィーユ]…ミルフィーユ。llは必ずしも[ユ]になりませんが、多くは[ユ]になります。

fille[フィーュ]…女の子。女性(femme)、ではありません。成人した女性に女の子、と言ったら欧米では怒られますw

Bonsoir [ボンソワール]…こんばんは。bon(良い)+soir(イブニング)から。
vouloir [ボゥロワール]…欲しい(英語のwant)
internet [アンテルネ]…インターネット

(8)c+a,u,oは、[カクコ]の音で読むことが多い。ç(cに記号が付く)だと[サスソ]の音になる。

これは複雑ですが、要するにフランス語ではcは[カキクケコ]の音になり、cに記号(セディーユと言う記号)が付くとサ行の音になると覚えておけば大丈夫です。ci,ceはサ行の音になります。

 

例:

ça [サ]...これ、それ。よく出てくる単語です。英語のthisやitに近い存在です。
ciel [シエル]...空
ce [ス]...çaと並んでよく出てくる単語。英語のthisやitに近い存在です。ceとçaの違いは複雑なのでググってみてください。笑

(9)ch+母音は[シャ、シ、シュ、シェ、ショ]の音で読むことが多い

今度はchの組み合わせの場合です。英語ではchは[チャ、チ、チュ、チェ、チョ]になりますが、フランス語のchは軟らかい音になります。例で示したほうがわかりやすいですね。

 

chanson [シャンソン]...シャンソン

chinois [シノワ]...中国の、中国人(英語のchinise)

cheveux [シェブー]...髪

chopin [ショパン]...ショパン(ポーランド生まれだがパリに長く住んでいた)

(10)l'は、leまたはla+母音で始まる単語の短縮形

いよいよ最後です。これは直接発音には関係ありませんが、知っていると「ああ、なるほど」となるので知識として。フランス語では定冠詞にle, la, lesがありますが、lela+母音で始まる単語が文章にある場合、l'+単語で短縮して書きます。発音はそのままlと単語をつなげて読みます。(leは男性名詞に、laは女性名詞に付けます。)

l'anglais [ラングレ]...英語

l'hôtel [ロテル]...そのホテル

 

さあ、いかがだったろうか? 最後に腕試しとして、以下の単語をどう読むか、挑戦してみてください。フランス語からそのまま日本で流通して有名になった言葉も多いので、簡単ですよ。おタカピーと言われるフランス人も、英語ではなくフランス語で話しかければ、態度が軟らかくなるかもしれません。笑

 

Peugeot…プジョー

Marseille…マルセイユ

Charles-de-Gaule…シャルル・ド・ゴール

Etoir…エトワール(Arc de Triomphe de l'Etoile:凱旋門) 

Louis-Vitton…ルイ・ヴィトン

Paris Gare de L'est…パリ・ギャール・ドゥ・レスト(パリ東駅)

Montpellier…モンペリエ

Moët...モエ

Chanpagne…シャンパーニュ、シャンパン

Bordeaux…ボルドー

chocolat...ショコラ(チョコレート)

chocolatier…ショコラティエ(チョコレート菓子職人)

escargot…エスカルゴ

marché…マルシェ(市場)

Jean-Jacques Rousseau…ジャン・ジャック・ルソー

 

(おまけ)フランス語が通じる地域

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wikipediaより:フランス語圏の地図。フランス語を母語とする話者が多数を占める国や地方自治体(藍色)、公用語となっている国(青)、第二言語として用いられている国や地方自治体(空色)、フランス語のコミュニティが存在する地域(緑)

フランス語は、実はフランス以外でも広く話されている言語です。フランスのほかに、ベルギー、スイス、カナダのケベック州、西アフリカで広く通じるようです。私の経験では、モロッコ、ベルギー、スイスでは本当に通じましたし、看板には必ずフランス語表記がありました。