タイ国鉄夜行列車・バンコク→ノンカイ 乗車記(乗車編)/Thai Railways #25 Bangkok to Nong Khai
前回に引き続き、いよいよ列車に乗る時間に。
endlesswanderlust.hatenablog.com
20:00発のノンカイ行き列車は3番線から発車する。
いやぁ良いですね、思い出ぽろぽろに出てくる昔の上野駅みたいです。ホームにはクリーニングしたてのリネン類を積むスタッフの姿が。
タイも然るべきお金を落とせば清潔な宿・食事処にありつけますね。
もう少しで列車が到着。時々脱線のニュースを聞くタイ鉄道、この日は何のトラブルもなさそうで一安心。
いよいよ入線。後ろ向きに入ってきます。
中国製の去年納入されたばかりの客車。ピカピカのステンレス。
ノンカイ行き25番列車。一等車は最後尾の13号車、、ということは13両編成?
さて乗り込みます。予想通り一等車は白人様ばかり。
廊下はシンプルというか無機質というか・・新しいのできれいなのには変わりないが。
いよいよ部屋。なんだか、昔日本にもB個室寝台とか言ってこんな寝台があったような? どこか郷愁を誘う造りだ。
一等車の部屋には簡単な洗面台とカップホルダーがついている。
さすが、一等車は全席コンセント・USB端子付きとのことでこのあたりは素晴らしい。読書灯まで付いている。
こちらは上段の電源。私は今回は下段にしましたが、頻繁にトイレに行ったり車両探検に行く私には正解。下段のほうがちょっとだけ値段が張るのだが。
ベッド仕様でないときはこのように座席として使えるようになっている。
モニターも一等車は全席完備。文字はタイ語と英語対応だが、肝心のコンテンツはタイ語のみ・・・
廊下側を見るとやはりどこかで見かけた造りとなっていて、今にも寝台急行殺人事件が起きそうな雰囲気となっている(ドラマの見過ぎ)。
ほぼ定刻通り20時過ぎに出発。タイにしてはパンクチュアルで感心である。
とここで、もう一人の乗客がやってきた。どんな人が来るか、白人の若者あたりが来るのかなと想像していたが、なんとやってきたのは俳優のダンカン似の東洋系オジサン。しかもやたらと英語が流暢だ。一体何人??
とにもかくにも、列車は出発。と、すぐに車掌が検札にやってきて、その後はベッドメイクをしてくれた。早ww
なかなか素晴らしいベッドメイクで侮れない。
タイ人にしてはあまりに英語が流暢な今晩のルームメイト、顔立ち的にも香港かシンガポールあたりの人か?と思ったのだが、恐る恐る・・Excuse me, but ..are you Thai? と聞いたところ、Yes I'm Thai from Bangkokとの返事。ええぇ~マジですか。なんでもノンカイに滞在してからビエンチャンに旅行なんだとか。日本の札幌にも雪が見たくて旅行したよとか言っていて、タイ人のなかでもそこそこ富裕な人なのかもしれない。
一通り世間話をしてから、今度は私は列車探検に出かけることに。
トイレの清潔感も日本の新幹線に引けを取らない感じ。びっくりしたのは、東海道新幹線と同じような男性専用の小便器部屋があったこと。日本と違ってこちらはちゃんと鍵がかかるようになっているけれどw(写真はさすがに自粛しました)
このようにシャワー部屋も付いていて、湯量・温度ともに何ら問題なし。さすがにタイでは暖かいシャワーは期待できないだろうなと思ってホテルでひと風呂浴びてから出てきたのだが、これなら道中のシャワーも心配なさそうである。備え付けのタオルなんかないことは除いて。
次は二等車を探検。
二等車は個室ではなく日本の特急座席とB寝台を足して二で割ったような造り。プライバシーには欠けるがこちらのほうが幾分かお安い。
二等車でもベッドメイクが始まっていて、座席がベッドに早変わり。ん~、、これは節約したいときには良いけど、他人のいびきも走行音も丸聞こえだからなぁ。そういうのが気にならなければ使えるかも。
下段。
上段。
寝るのに集中するなら上段、探検したり車窓も楽しみたいなら下段かな。ちなみに二等車でも電源だけは全席完備のようだ。
次に食堂車。食堂車によくあるタイプの、車両半分は厨房、もう半分が座席になっている。
座席はこのように必要最低限というか、北斗星のように華美ではないけど飲み食いには十分。
ドリンク・食事の値段も屋台よりは高いけど十分地元民価格で、列車のなかのサービスにしては良心的ではなかろうか。
積まれていた弁当。これは座席に持ち帰ってもいいのだろうか・・?
そんなこんなで部屋に戻り、拝借した水を飲みながらしばし旅情にふける。
この時点でそろそろドンムアン空港横を通過。
Google mapでノンカイまでの道のりを検索すると、道路のルートだが大まかにはこんな感じとわかる。バンコク~ノンカイは約600km、それを約11時間かけて走破するので平均時速たった54kmくらいしか出ていないことになる。それもそのはずで、タイの鉄道は基本的には単線のため所々で停車して列車がすれ違うのである。
バンコクを出発して2時間ほどでアユタヤを通過。アユタヤまではチェンマイ線と線路が共用らしい。
窓の外はタイの田舎、街灯もなく何も見えるわけがないのだが何となく外を見てしまうのである・・。ルームメイトのオジサンは21時過ぎにはクーすか寝ていたけど、私はなかなか移動中は寝れない体質で、結局タブレットで映画を見たりネットサーフィンをすること5時間、夜中の1時くらいにやっと寝ることができた。
午前1時前にやっと半分来たくらいかな。ちなみに車内の走行音や揺れは、気になるといえば気になるし、気にならない人には平気かなという程度。日本のブルートレインと大差なかった気がする。
目が覚めると周りが明るくなり始めた午前6時過ぎ。もっと寝れなくて下手したら徹夜かと覚悟していたが、5時間寝れれば私にしては上出来かな・・
ああぁ、カンボジアでも見たような、乾燥したサバンナのようなアジアの田舎が垣間見れる。
6時半頃には車掌がやってきて、ベッドのリネンを回収し座席モードに戻される。
ほぼ定刻通り、ノンカイ駅に到着。日本で事前に調べた通り、周囲には何もない駅w
それでも結構な人が乗っていて、降りてくるのは白人バックパッカーやタイ・ラオス人と見られる人々など多種多様。
一応夜行列車なので盗難とか山賊(!)には気を付けていたのだけど、何もトラブルがなさすぎて拍子抜け。いや、トラブルはないに越したことはないけど、ヨーロッパの夜行列車なんかだと本当に盗難被害があるらしいので気を付けてあそばせ。
初めての感想としては、この車両ならまた乗ってもいいかなと思えるくらい意外にも快適な移動だった。今度はこれでチェンマイまで行くも良し、ガタガタ車両でミャンマーのヤンゴン~マンダレーを移動するも良し、オリエンタル急行でマレー半島を行くも良し。鉄道旅行は飛行機とは違った旅情があって旅好きにはおすすめだ。
ノンカイの街は駅から数キロ離れたところにあり、この駅の周りは朝方ということもあり乗客意外は皆無。
ひょんなことからルームメイトのオジサンと同じトゥクトゥクに乗ることに。この後は陸路でラオス国境→ビエンチャンを目指す。